SENIOR
INTERVIEW
先輩紹介

INTERVIEW03

多様化する地域ニーズに応える
まちづくり、景観づくり。

複合化する地域課題の解決には、ハード・ソフトの両面から取り組むことが重要。地域の履歴を正しく把握し、対話し、引き出した思いを価値に変える。

2015年入社
大日本ダイヤコンサルタント株式会社
インフラ技術研究所
景観環境デザイン部景観デザイン室
京都大学大学院
工学研究科 社会基盤工学専攻
土木の「景観・デザイン」の世界との出会い
大学入学後、土木工学コースに進み学生生活を過ごし、研究室や進路を迷っていたときに、「都市景観デザイン」という授業に出会ったことが土木の景観・デザイン分野を志したきっかけでした。「デザイン」というと建築で考えるイメージが強かったのですが、公共空間や都市計画・ビジョンのあり方について、景観・デザインの観点からアプローチすることに、大きな魅力を感じたのは今でも覚えています。感性やセンスも問われる場面がある一方で、土木の分野では個人の美的感覚だけでなく、「いかに地域に寄り添って考えるか」が大事だと学びました。研究室配属後は、現代都市計画の起源となった、近代の公園緑地計画の策定プロセスと関与した技師の計画思想に関する研究に取り組んだほか、学生コンペや市民ワークショップなどの活動にも携わり、ハード・ソフトの両面から地域と向き合う姿勢を育みました。
まちづくり ―「地域に寄り添う」ことの実践
入社後5年間は、技術の土台を築くため、都市計画・まちづくり系の業務に携わる社会創造分野に属し、経験を積みました。具体的には、立地適正化計画や都市計画マスタープラン等の上位計画や駅周辺地区の整備構想・基本計画の策定、地域住民との協働による防災まちづくりの推進、Park-PFIといった民間活力を活用した公共事業のあり方の検討など、分野は多岐にわたりました。
なかでも、約3年にわたり携わった防災まちづくりの仕事では、行政だけでなく町会の皆さんとの対話やワークショップを何回も重ね、地域が一丸となって自走できる体制づくりに向けて様々な取組みを行いました。その地域は発災時にどのような課題に直面するか、その解決のために各年でどのような目標を達成しないといけないか等、常に地域と向き合いつつ短期・中長期的な視点で思考(+試行)する必要がありました。もちろん他の業務での経験も活きていますが、特にこの防災まちづくりの仕事では、技術だけでなく地域に寄り添うためのポータブルスキルを磨くことが出来たと思っています。
景観づくり ―都市の将来の姿を「可視化」する
ソフト系の仕事に多く携わる中で、都市の将来像や整備方針などのフワッとした方向性を定めるスキルを磨くことはできました。一方で、「その都市・場所が空間として具体的にどのようになるのか」もあわせて語れるようになる必要があると思い、そのスキルや思考能力を磨くため、現在所属している景観デザイン室へ異動しました。具体的なモノ・空間をどのように美しく創るか、という観点で技術研鑚に取り組んでいますが、これまで培ってきたプランニングにおいても、「その地域がどのようなコンセプトに基づいて、どのような将来の姿を実現するか」といった、デザインコンセプトの策定と将来像の可視化のスキルを磨き、より具体性のある計画をつくれるようスキルアップを図っています。
業務としては、橋梁付属物のデザインや駅前広場基本設計といったハード系の仕事のほか、橋梁群の整備デザイン方針や街路・広場の整備構想検討などのソフト系寄りの仕事にも携わっています。最近は、室としてもグリーンインフラの業務に取り組んでいますが、都市の魅力向上だけでなく、防災・減災や自然環境保全といった観点から考える必要も出てきており、景観・デザインの分野に留まらず幅広く取り組むよう心がけています。
「どんな人と働くか」も、大切にしたい
研究室活動の経験もあり、就職は建設コンサルタント業界を考えていました。さまざまな会社を訪問しましたが、中でも当社を訪問したときには、「大学ではどんな研究をやっているのか」「どんな分野の仕事に興味があるのか」など私の話を親身に聞いてくださり、気付けばお話する時間を2時間も頂きました。就職活動を続けていくうちに、「どんな仕事に携われるか」に加え、「どんな人と働くか」にも着目するようになり、最終的には、最も真摯に対応してくれた当社に決めました。
実際の仕事の現場では、3名程度の小規模なチームで対応することが多いですが、業務の規模や分野の幅広さによっては5~6名で役割分担し臨むこともあります。近年はコロナ禍の影響もあり、対面の会議だけでなく、WEBミーティングやChatツールも併用するなど、チーム内の連携に十分配慮しながら仕事に携わっています。
自分の専門分野だけでは解決できない内容に直面しても、気軽に相談できる上司や先輩の存在もあり、分野の垣根を越えてコミュニケーションを図り解決することが出来ています。そういう意味で、入社前と入社後とで、「フランクな方が多い」という印象に変わりはありませんね。